ゲーテ 内田篤人特集より

http://goethe.nikkei.co.jp/human/120131/01.html

“ベテラン生活”が始まって1年が過ぎようとした2008年冬、海外クラブへの移籍を意識し始めた。Jリーグよりレベルの高い海外リーグに移籍すれば、甘えを排除できるかもしれない。何度も胃カメラ検査を受け、原因がわからなかった嘔吐の症状も、環境を変えることで治ってしまうのではないかという期待もふくらんだ。
「環境が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる、という言葉がある。僕は弱い人間だから、頭でわかっていてもすぐには実践できなかった。でも、2009年にリーグ3連覇した時に不思議と、来年はこのクラブにはいないなと感じた。目標を達成して、気持ちに区切りがついたのかな。先輩も海外に行ったほうがいいって言ってくれた」
 2010年7月、ドイツの名門、シャルケ04に移籍した。
 練習は厳しい。
「これ、これ。こういう練習だよ」
 ごまかせないサッカーレベル。
「ドイツはすげえよ」
 言葉が通じない。
「面倒くさくなくて、それくらいがちょうどいい」
 吐き気。
「なぜかよくなっている」
 決断。
「海外に行ってもみんなが成功するわけじゃない。でも、チャレンジしないことには何も始まらない。自分があれだけ悩んで決めたことだから、僕はこの道を進む」
 きっかけなんてどちらでもいい。変わろうと思っても、思わされても。新たな一歩が運命を変えていく。