ヤマト、「宅急便」を当日配送に 三大都市間で

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16年メド、ネット通販など拡大に弾み

 宅配サービス最大手のヤマトホールディングスは2016年までに東京、名古屋、大阪の三大都市間で「宅急便」の当日配送を始める。約600億円を投じて3都市近郊に大型物流拠点を新設、最新鋭の自動仕分け機を使って集荷、配送にかかる時間を大幅に短縮する。急成長する「ネット通販」や生鮮食品輸送などでの利用が広がれば、新たな付加価値にもなりビジネス機会の創出につながる。消費者にとっても利便性が高まりそうだ。




 料金は東京―大阪間で840円からという宅急便の価格体系を原則維持する方向。バイク便や飛行機を利用した1万円以上する緊急配達サービスを除けば、当日配送は事実上、業界で初めて。原則、午前中までの受け付け分が対象とみられる。

 第1弾として首都圏の玄関口である神奈川県愛川町に、「ゲートウエー」と呼ぶ、同社としては国内最大級の物流拠点を開設する。約230億円を投じて延べ床面積約9万平方メートル、地上8階建ての施設を建設。大小様々な荷物を仕向け地別に選別する最新の自動仕分け機を駆使して、コストを抑えながら大量の荷物をさばく体制をつくる。

 16年までに、愛知県と大阪府にも神奈川県と同様の大規模な施設を建設する予定。愛知県内のゲートウエー用地はすでに手当てしている。

 まず来夏に東京―大阪間で当日配送の試験運用を始める。現在は全国に約70ある各地域のハブ拠点間で貨物をやり取りし、夕方までに集荷した貨物を深夜になって仕向け地の拠点に配送。翌朝に届け先に配達している。

 これを深夜だけでなく24時間逐次、ゲートウエー間で大量輸送し、荷物が倉庫に滞留する時間をなくすようにする。約70ある各地域のハブ拠点や運行車両も集約し、コスト削減を進める。

 割安な価格での当日配送が可能になると、ネット通販が一段と活発になり、市場を広げそう。製造業向けにも、緊急に必要な部品の輸送需要が増えるとみられる。生鮮食品を扱うスーパー、アパレルなどの小売業者も在庫を抱えず、必要なときに必要なだけ品物が取り寄せられるようになる。

 ヤマトが翌日配送をうたい文句に宅急便を始めたのは1976年。97年には遠隔地にも対象を広げて全国サービスを実現した。低価格での当日配送サービスにより、広がるネット通販などとの連動が増せば、インフラとしての役割が一段と強まりそうだ。