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ちきりんが語る家電業界衰退の理由

http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20121103

二番目は、商品開発において、ひたすら日本市場だけにフォーカスし続けたということです。販売は世界で行うけれど、開発はあくまで日本市場を念頭に置いていました。

これは自信過剰問題とも言えます。日本の技術はすばらしく、日本メーカーの商品は世界トップレベルである。だから日本で売れるものを作っていれば、それがそのうち世界に拡がるとでも思っていたのでしょう。

結果として彼らの商品ラインアップには、日本でしか売れない高機能家電が大量に溢れました。たしかに当時、海外の人が使っていたノキアのけーたいに比べると、日本のガラケーは圧倒的におしゃれで高機能でした。

けれど、それらが世界で受け入れられることはありませんでした。「世界に受け入れられる商品を作ろう」という意思さえなかったのですから、それも当然のことです。テレビについても同じです。世界で売れ続ける普及品市場は、すべて韓国メーカーに献上しました。



「一番いい商品(=技術的に一番いい商品の意味)を作っているのは自分達だ」という自負を持ちながら、その“一番いい商品”が売れなくなると、業績不振を円高というマクロ政策のせいにし、あからさまにエコポイントという補助金を求め、違法な偽装請負や派遣切りにまで手を出しました。もちろん社員にサービス残業をさせるなんて序の口です。

ここ10年の家電業界は、「政府が悪い、補助金をよこせ」といいながら、自らは身を切る改革を避けまくる農業セクターと、全く同じ様相でした。